この記事では、マイクロソフト エクセルに問題が発生した際に実施するトラブルシューティングをまとめています。
こちらの操作環境は、Windows10 + Excel 2016です。
操作環境 | |
OS | Windows10 |
Excel | 2016 |
以下の目次から実施したい項目をクリックしてください。
Microsoft Excelをセーフモードで起動する
マイクロソフト エクセルには、問題が発生した場合に備えて『セーフモード』という起動方法が用意されています。
エクセルの『セーフモード』は、通常の起動で読み込まれるファイルをほぼ読み込まずに起動するため、この起動方法で問題が解決できた場合は『起動時に読み込まれるファイルに原因がある』ことを切り分けることができます。
エクセルのアイコンをクリック、もしくはダブルクリックする前に、キーボードの[CTRL]キーを押したままクリックしましょう。
『Ctrlキーが押されたままになっています。Excelをセーフモードで起動しますか?』というメッセージが表示されたら、[Crtl]キーを離して[はい]ボタンをクリックします。
※メッセージが表示されるまでは[Crtl]キーを離さないでください。
『ライセンス契約に同意します』メッセージが表示されたら、[同意する]ボタンをクリックします。
※Excel 2016以外ではこのメッセージは表示されない可能性があります。表示されなくても気にせずに次に進みましょう。
エクセルが起動したら、タイトルバーを見てください。
以下の図のように『Microsoft Excel(セーフモード)』と表示されていれば、セーフモードで起動しています。
たとえば、発生しているトラブルが『エクセルが起動できない』だった場合、このセーフモードで起動できれば『通常起動時に読み込まれるファイルに問題がある』ことがわかります。
いま、発生しているトラブルがエクセルのセーフモードでは起こらないのかどうかをチェックしましょう。
Microsoft Excelのxlbファイルを再構築する
Microsoft Excelのxlbファイルとは
『xlbファイル』とは、エクセルの設定情報を記録しているファイルです。エクセルのバージョンによってファイル名が異なります。
バーション毎のxlbファイル名 | |
Excel2019 | Excel1?.xlb(*1) |
Excel2016 | Excel15.xlb(*2) |
Excel2013 | Excel15.xlb |
Excel2010 | Excel14.xlb(*3) |
Excel2007 | Excel12.xlb |
Excel2003 | Excel11.xlb |
Excel2002 | Excel10.xlb |
(*1)Excel2019(Office365)は情報がないためファイル名不明。 (*2)手元のExcel2016の環境では”Excel15.xlb”が検索でヒット。”Excel16.xlb”が見つかる場合はそれをリネームする。 (*3)アメリカを含む海外では『13』は忌み数として嫌われている数字なのでスキップされた。 |
Excel2003以前のバージョンでは、エクセルのボタンは『メニューバー』や『ツールバー』に格納されており、この情報を保存しているファイルがxlbファイルでした。
Excel2007以降のバージョンでは、エクセルのボタンは『タブ』や『リボン』に格納されるようになり、この情報はxlbファイルではなくレジストリに保存されるようになりました。
このことから、Excel2003以前のバージョンではxlbファイルを再構築することにより、画面上のボタン表示が初期状態にリセットされましたが、Excel2007以降のバージョンではxlbファイルにはボタンの情報が格納されていないため、再構築してもボタン表示はリセットされなくなりました。
よって、Excel2007以降のバージョンでxlbファイルを再構築しても、ユーザー側が気付くような変化は起こらないはずです。
今から、xlbファイルを再構築する作業に入ります。ほんの少しだけ手がこんできますので、事前に大まかな流れを説明します。
- エクセルを完全に終了する
- コンピュータ内で『*.xlb』を検索する
- 見つかったxlbファイルの名前を変更する
- エクセルを通常どおり起動し、スムーズに終了できるかを確認する
まず、エクセルが起動していないことを確認してください。エクセルが起動している場合は以下の操作は実行できません。
エクセルが起動していないことを確認したら、どのフォルダでもいいのでデスクトップなどにあるフォルダを開きます。
フォルダを開いたら、左側の『検索ボックス』に『*.xlb』(半角小文字)と入力し、右側の『PC』をクリックします。これでコンピュータ内のxlbファイルの検索が始まります。
入力に不安がある方は以下をコピーして検索ボックスに貼り付けてください。
*.xlb
xlbファイルが表示されたら、[右クリック]-[名前の変更]でファイル名の先頭に『old』と入力して[Enter]キーで確定します。
変更前 | Excel1★.xlb |
変更後 | oldExcel1★.xlb |
★の部分はバージョンに対応する数字が入ります。先頭に『old』と入力するのは『古いファイル』と変更者が判別できるようにするためです。『old』以外の半角英数字(例えば数字の1など)でも問題ありません。 |
エクセルを通常通りに起動し、トラブルが解決しているかどうかを確認してください。
問題が解決した場合は、xlbファイルが破損していたことが考えられます。xlbファイルの名前を変更することで、その後、エクセルの操作上xlbファイルが必要になったら自動的に作成されます。
名前を変更した古いxlbファイルはそのまま放置しても問題ありません。
まとめ
マイクロソフト エクセルで発生する問題は、大きく分けて三種類あります。
一つ目は『エクセルで作成した特定のファイルの問題』。
『特定のファイルだけ動作が重い(遅い)』や『特定のファイルだけ開けない』など、ファイル固有の問題が該当します。
二つ目は『エクセル全体で発生する問題』。
ファイル固有の現象ではなく、『新規ブックでも発生する』現象が該当します。
たとえば『エクセルが起動できない』『エクセルの新規ブックでも右クリックが反応しない』などです。
三つ目は『エクセル以外のアプリケーションでも発生する問題』。
エクセルだけではなくワードやマイクロソフト以外のメーカーのアプリケーションでも発生する問題が該当します。
たとえば『パソコン内のどのアプリケーションを開いても重い(遅い)』などです。
どの時点で問題が発生するかにより対応策が変わってきますので、問題の切り分けは確実に実施しましょう。
エクセルの操作やトラブルでお困りの際は、以下のコメント欄からご相談ください。